ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法〜#2空間を作る意識〜
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法〜#2空間を作る意識
ハンドメイドアクセサリー作家さんのために、ディスプレイの仕方についてまとめています。
アクセサリーメーカーで、店舗のディスプレイ作りを長年してきた私が、
感覚的になりがちなディスプレイの作り方について、
分かりやすく説明します。
ディスプレイ8つのポイント
ポイント#1 商品コンセプトを頭に入れてスタートする
ポイント#2 空間を作る意識
ポイント#3 アイキャッチを作る
ポイント#4 グルーピング
ポイント#5 目線の位置を意識する
ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)
ポイント#7 引きの目線チェック
ポイント#8 ライティングの調整
今回は空間を作る意識についてお伝えします
前回は、イントロダクションの意味も込めて
『ポイント#1 商品コンセプトを頭に入れてスタートする』
についてお伝えしました。
accessorybranding.hatenadiary.jp
コンセプトをとらえてディスプレイを始めることの重要性について、
わかっていただけたかと思います。
今回は、『ポイント#2 空間を作る意識』についてです。
この記事はこんな方に役に立ちます。
- ディスプレイでいつも悩んでしまう方。
- 商品を並べると作品が素敵に見えないと悩んでいる方。
- 渾身のディスプレイを作ったのになぜかなぜかパッとしない方。
- 学園祭のお店みたいなディスプレイから抜け出せない方。
- 売れるディスプレイを作りたい方。
ポイント#2 空間を作る意識
空間を作る意識と書きましたが、”空間を演出する意識をもつ”
と言ったほうが正しいかもしれません。
まず、コンセプトを頭に叩き込んでからスタートすることとお伝えしました。
そコンセプトに見合ったディスプレイを作るためには、
ディスプレイされている空間全体がそのコンセプトに沿った空間になっている必要があります。
その空間に入ったお客様を、あなたのブランドの世界観にいざなうように誘導されてしまうような、ディスプレイを作っていくのです。
ディスプレイをパッと見てお客様に「あ。、なんかいいな」と思ってもらうためには、
空間全体を演出するのが一番です。
空間を演出する意識とは
例えば、写真はティファニーのウィンドーディスプレイです。
このディスプレイの一番のポイントは、メタリックなたくさんのボールをイメージカラーでまとめていること。
シックなグレーとブラウン、そしてシルバーの3色を使っていますが、
一番手前のシルバーのメタリックなバックの色に合わせてこの演出が構成されています。
メタリックなボールと、マネキンが身につけているのはオフホワイトのシャツに、
グラフィックの模様が印象的なメインカラー のスカート。
グレー・ブラウン・シルバー・オフホワイトの地味な色をメインカラー使っているけど、
メタリックでキラキラとしていてスタイリッシュなイメージを演出しています。
そのイメージを演出するために、
たくさんのメタリックカラーのボールがディスプレイの素材として使われていて、
空間を一瞬見ただけでその世界観に引き込まれてしまいます。
ウィンドーディスプレイは特に大胆な演出が必要なので極端な例ではありますが、
しっかりコンセプトにあったディスプレイで空間演出するためには、
イメージを作るディスプレイの小物や素材を使う必要があります。
空間全体のイメージのポイントとなるアイテムを置く
先ほどのティファニーの写真では、その世界観をメタリックなボールの山で見事に演出していました。
ウィンドーディスプレイは街ゆく人に気付いてもらう必要があるので、
このように大胆に演出する必要がありますが、
マルシェや店舗の一角だったとしても考え方は同じです。
その世界観を表現するために何かポイントとなるものを置くことで、
世界観を一気に作りやすくなります。
空間の世界観を作るオブジェや小物をおく
例えば、あなたのアクセサリーブランドでは、アンティークビーズのジュエリーを作っていたとします。
ブランドのコンセプトはパリの蚤の市で見つかるような、
中世のパリのかわいい女性が大切に身につけていたような1点もののハンドメイド。
他では見つからないずっと宝物にしたくなるジュエリー。
こんなコンセプトだったとしたら、
例えば、パリの蚤の市で見つかるようなアンティークっぽいフラワーベースにドライフラワーを生けたものとか、大きめの額ぶちをディスプレイしてみる。
商品を置く台は焦げ茶色で少しダメージがあるようなウッディーな台や板を使おう。
側にはアンテークの椅子を置いてそこにお店のパンフレットを置いてみたりしても素敵。
こんな感じでイメージを膨らませていきます。
商品と関係のないものでもいい
実際にはそのフラワーベースや額縁、椅子は販売しているジュエリーとは全く無関係のもので、販売すらしていません。
しかも、フラワーベースや大きな額縁や椅子は商品のジュエリーに比べて大きすぎます。
でも、これらはこの空間を演出するためには必要なアイテム。
ジュエリーやアクセサリーは小さいので、近くまで寄らないとよく見えませんから、
空間を演出するためのポイントとなるような少し大きめのアイテムで
全体的に大きく空間を作ってしまいます。
そうすることで、あ、こんなイメージの空間にあるのはどんなジュエリーだろう?と
お客様の興味をひく演出ができるのです。
イメージカラーとモチーフを統一する
イメージカラーで空間全体のイメージを作る方法もあります。
先ほどのティファニーのウィンドーディスプレイでもそうでしたが、
色で空間のまとまりを作っていました。
写真のディスプレイはお菓子屋さんのディスプレイです。
おそらくブランドカラーのコーラルピンクの大きめのBOXと、バラの花、
さらに、バラのモチーフの装飾の白い椅子と白いBOXが什器になっていて、
ディスプレイの高さを出すために使われています。
イメージカラーを決めることで得られる効果
イメージカラー、ブランドカラー、メインカラーなどいろんな呼び名がありますが、
そのブランドを象徴するような色を決めておくと、実はたくさんのメリットがあります。
自分作るアクセサリーはいろんな色を使うから、ブランドカラーを一色に決めるのは難しいと感じている方もいるかもしれません。
ブランドを象徴するような色を決め得とくと、パッケージにも使えますし、各種SNSなどのフィードのバナーやロゴの色などいろんなところに使ってブランディング することができます。
それから、色を使う最大の効果は、人に覚えてもらいやすくなること。
特にアクセサリーのような小さな商品を扱っている場合は、
近くで見ないとその良さを感じることができません。
その点、色は、真っ先に目に飛び込んできます。
写真のお菓子屋さんのディスプレイでは、コーラルピンクが一番最初に認識されます。
その後、かわいいマカロンのオブジェとバラのモチーフが認識されて、
その後にBOXに入ったお菓子(おそらく実際に売られている商品)が目に入ります。
商品は目立ちませんが、”コーラルピンク=このお菓子のブランド”とわかる。
あなたのブランドを色と一緒に覚えてもらえたら、お客様はその色を見ただけであなたのブランドを連想してくれるようになるでしょう。
そうなったら、もうこっちのものですね!
伝えたいメッセージを小物で伝える
それから、ディスプレイはメッセージを伝えることもできます。
例えば、先ほどのお菓子屋さんのディスプレイは、
ただ単にブランドカラーを使った、ピンクのバラがかわいいディスプレイだけなのではありません。
ディスプレイに使われているバラの花には、高級感やロマンチックなイメージがあります。
そしてかたわらにはゴールドのシャンパンのボトル。
BOXには大きなリボンが巻かれている。
クリスマスのディスプレイなのか、バレンタインなのか、季節は分かりませんが、
特別なギフトに選んでもらいたい!というメッセージが伝わってきます。
見る人が、あ、こんなプレゼントも素敵かも。とイメージしてもらえたら、
このディスプレイの空間作りは大成功です。
空間作りは統一感が大事
この空間は色とモチーフを統一することでしっかりまとまっていて、
伝えたいメッセージまできちんとイメージできる良い例です。
空間作りには、統一感が必要です。
コンセプトにあったもので統一されていること。
テイストを合わせることも大事です。
先ほどの例にもあった、パリの蚤の市風のデイスプレイの中に、
いきなり和風な小物が入っていたらおかしいですよね。
色を統一する。
モチーフを統一する。
素材の持つイメージを統一する。
テイストを統一する。
これらを上手に利用して全体のまとまり(統一感)を作ると、
あなたのブランドのコンセプトを表現する素敵な空間を作れるようになります。
ディスプレイは空間を作る意識を持とう。
いかがでしたか?
今回は"ポイント#02 空間を作る意識"
について深堀りしてみました。
次回は"ポイント#3 アイキャッチを作る"についてお伝えします。
お楽しみに^^