ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法〜#7 引きの目線チェック〜
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法 〜#7 引きの目線チェック〜
ハンドメイドアクセサリー作家さんのために、ディスプレイの仕方についてまとめています。
アクセサリーメーカーで、店舗のディスプレイ作りを長年してきた私が、感覚的になりがちなディスプレイの作り方について、分かりやすく説明します。
ディスプレイ8つのポイント
ポイント#1 商品コンセプトを頭に入れてスタートする
ポイント#2 空間を作る意識
ポイント#3 アイキャッチを作る
ポイント#4 グルーピング
ポイント#5 目線の位置を意識する
ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)
ポイント#7 引きの目線チェック
ポイント#8 ライティングの調整
今回は目線の位置を意識する重要性についてお伝えします
前回は『ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)』
ディスプレイをする際に、グルーピングでまとまりを作る利点についてお伝えしました。
今回は、『ポイント#7 引きの目線チェック』です。
まだまだお読みでない方はこちら
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この記事はこんな方に役に立ちます。
- ディスプレイでいつも悩んでしまう方。
- 商品を並べると作品が素敵に見えないと悩んでいる方。
- 渾身のディスプレイを作ったのになぜかなぜかパッとしない方。
- 学園祭のお店みたいなディスプレイから抜け出せない方。
- 売れるディスプレイを作りたい方。
ポイント#7 引きの目線チェック
今回は
#7 引きの目線チェックについて考えてみます。
#5でもお伝えしましたが、お客様の目線はどこにあるの?というのが大事だということをお伝えしました。
そこをもう少し深掘りしていきます。
引きの目線とは
前回はお客様がどこから見ているのか意識するのが重要でしたね。
では、実際に商品を並べたりディスプレイを作る時に、具体的にどんなことに気をつければいいのでしょうか。
お客様の目線の流れをシミュレーション
実際にお客様がどこを通るのか、どんな風にだんだん近づいてくるのかを説明しました。そのお客様と同じ場所からお店(ディスプレイしている場所)を見てみるのです。
お客様の目線の流れがどのように近づいてくるのかをシミュレーションします。
実際に商品を並べる前と、最中に確認しながらやるのが良いです。
通路から確認する
ディスプレイを作ったら、ぜひ、通路に出て、
あなたの作ったディスプレイが魅力的かどうか何度も確認してください。
目の前に通路がなければ、そのディスプレイをした場所全体が見渡せるくらい離れてみてみてください。
1m離れたらどう?
3m離れたらどんな感じ?
5m離れたらどんなふうに見えている?
お客様は大体この辺りを歩いているから、ここから見えるように高さのある小物を置いてみよう!
こんなふうに、いろんな距離で確認してみるとたくさんの発見があります。
もし通路からでは何も見えないのっぺりしたディスプレイだったら、
角度を意識して商品を立てて並べてみたり、
高さを変えてみたり、いろいろ試してみましょう。
店員さんや売り場に立つ自分も雰囲気が商品とちぐはぐにならないように。
売り場に立つ時は、自分も世界観を作る一部だということも忘れてはなりませんね。
ディスプレイは引きで(離れて)見て確認する
以前、私がアクセサリーメーカーで店舗のディスプレイを任されていたとき、
いつも気をつけていたことがあります。
ディスプレイは引きで(離れて)見て確認すること。
”引き”で見る=お客様の目線で見るということです。
お客様は必ずしも初めから近づいてくれるわけではありません。遠くから徐々に近づいてくるのです。
よくできる店長さんは必ず通路に出てみたり、
ときには通路の反対側まで離れて自分の店がどう見えるのか確認していました。
そんなに遠くから?と思われるかもしれませんが、ディスプレイされている場所のロケーションが、どんな状況か?
自分の店は、遠くからだとどんな風に見えているのかな?ということは、常に意識しておくといいです。
私たちは好き嫌いを無意識に判断している
お客様は意外と見ています。
無意識にですが、目に入るものの好き嫌いを瞬時に判断しています。
メラビアンの法則というのを聞いたことがあるでしょうか?
「メラビアンの法則」とはカリフォルニア大学の心理学者、アルバート・メラビアンが1971年に提唱したものです。第一印象に関する話題でよく耳にします。
「 視覚情報(Visual)」 55%
「 聴覚情報(Vocal)」 38%
「 言語情報(Verbal)」 7%
視覚情報は、6割近いですね。
人は目から入ってくる情報に大きな影響を受けるということです。
あなたも、普段のなにげないウィンドーショッピングで、"なんとなく良さそう"と思ってお店に入っていませんか?
最初から目的があるわけではないことがほとんどですよね。
それを店長さんたちは分かっているので、
必ず店全体が見える通路から確認するのです。
ディスプレイはお客様の目線の位置に合わせる
いかがでしたか?
今回は"ポイント#7 引きの目線チェック"
について深堀りしてみました。
”#5 目線の位置を意識する”と合わせて読んでいただくとより理解が深まります。
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次回は"ポイント#8 ライティングの調整" についてお伝えします。
どうぞお楽しみに^^
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法〜#6 細部を意識する〜
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法 〜#6 細部を意識する(POPで引き込む)〜
ハンドメイドアクセサリー作家さんのために、ディスプレイの仕方についてまとめています。
アクセサリーメーカーで、店舗のディスプレイ作りを長年してきた私が、感覚的になりがちなディスプレイの作り方について、分かりやすく説明します。
ディスプレイ8つのポイント
ポイント#1 商品コンセプトを頭に入れてスタートする
ポイント#2 空間を作る意識
ポイント#3 アイキャッチを作る
ポイント#4 グルーピング
ポイント#5 目線の位置を意識する
ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)
ポイント#7 引きの目線チェック
ポイント#8 ライティングの調整
細部を意識する(POPで引き込む)についてお伝えします
前回は『ポイント#5 目線の位置を意識する』
ディスプレイをする際に、お客様の目線の位置を意識しようとお伝えしました。
今回は、『ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)』です。
まだお読みでない方はこちら
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この記事はこんな方に役に立ちます。
- ディスプレイでいつも悩んでしまう方。
- 商品を並べると作品が素敵に見えないと悩んでいる方。
- 渾身のディスプレイを作ったのになぜかなぜかパッとしない方。
- 学園祭のお店みたいなディスプレイから抜け出せない方。
- 売れるディスプレイを作りたい方。
ポイント#細部を意識する(POPで引き込む)
今回は、細部の作り込みについてお伝えします。
前回は距離からの逆算でディスプレイを俯瞰して作ることの大切さについて説明しました。興味を持って立ち止まってくれたお客様をさらに引き込むためには、いろんな工夫が必要です。
手にとってもらうためには。もっと興味を持ってもらうためにはどうすればいいのか。
そのためには細部の作り込みが必要になってきます。
立ち止まってもお客様はよく見てくれるとは限らない
お客様があなたのディスプレイの目の前に立ってくださったら、手に取って色々じっくり見てもらいたいですよね。
きっと、あなたの作品には、ざっと見ただけでは伝わらないコンセプトや思い、商品のウリがあるはずです。
でもお客様は、あなたの思う通りに手に取って見てはくれないものです。
何か気になるものがなければ、さーっと見てそのまま素通りしてしまうでしょう。
細部の作り込みが必要になってくる
商品をお客様にみてもらうためには、いかに工夫して立ち止まってもらえるのかが肝だとお伝えしてきました。
#2アイキャッチを作れ でも詳しくお伝えしましたね。おっ!と思ってもらうことです。
実際に滞留時間をのばしてお客様に商品の魅力を知っていただくためには、細部の作り込みが必要です。
細部の作り込みの目的は、
「おっ!何か素敵なものがありそうだぞ」と思ってもらった後に、
「何なに??ともっと知りたい、見てみたいと思ってもらう工夫が必要ということです。
もっと知りたいの欲求を引き出すためには
お客様の、もっと見たい・知りたいの欲求を引き出すためには、どんな工夫をすればいいでしょうか?
あなたのブランドは、まだお客様に認知されていません。
商品そのものだけでは伝わらない魅力を文字や写真で補足していく必要があります。
POPはもの言わぬ販売員
よく、POPはもの言わぬ販売員であると言われます。
生身の販売員が直接接客しなくても、POPに書かれている商品の説明やコンセプトでその魅力を伝えることができます。
私も、文具屋さんなどで細かい商品の説明書きのPOPがあると、つい読んでしまって、それまで知らなかったのに、その商品が気になってしょうがなくなってしまうということがよくあります。
これってしっかりPOPに接客されているんですよね。
では、実際にどんなことをPOPに書いたら良いか例をあげてみましょう。
商品の説明POP
そのままですが、商品の具体的な使い方や特徴を書きます。
素材・産地・突起すべき特徴・作成にかかる時間や、変わった使い方をするものであれば、使い方などは書いた方がいいでしょう。
例えば、この作品に使われている素材は何で、どこどこ製の貴重なものです、リバーシブルで使うこともできます。とか。
商品のウリとなるポイントを魅力的に書きます。
作っている人にとっては、見ればわかるでしょうというような当たり前のことでも、お客様にとっては初めて見るものかもしれない。
POPに書いてある内容がとても新鮮にうつるかもしれないのです。
ブランドコンセプトのPOP
あなたのブランドに初めて出会ったお客様に、あなたのブランドの魅力をもっと知ってもらいましょう。
ブランドコンセプトが書かれたPOPを準備して、目につく場所に設置します。
わー、素敵なアクセサリーがあるな。と思ったお客様は、あなたの作品の持つ何らかの魅力的な世界観や雰囲気にピンときているはずです。
そんな時に、その世界観を表すコンセプトやストーリーが目にできたなら、あ、なるほど、こんなことがテーマの作品たちなのね!と納得してもらえるし、もっと見てみたいという欲求を引き出すことができます。
着用写真や画像をPOPにする
あなたもこんな経験がないでしょうか。
手に取って見るのと、実際に身につけて鏡でみるのでは雰囲気がかなり違った。
アクセサリー やジュエリーは装飾品なので、人が身に着けることで完成されます。
装着することで動きがでたり、商品が生きるというか、良さを発揮してくれる。
そういう意味で、着用写真やイメージ写真は、身につけたときの自分をお客様が想像してもらうために、とても大きな意味があります。
なぜなら、お客様によっては、試着するのを恥ずかしいと思う方もいますし、
ピアスやイヤリングなどは、衛生上試着がNGのものもありますので。
そうして想像が膨らむとお客様は欲しくなってきます。
お客様は、気になるものを見つけたら、自分が身につけたらどんな風になるだろうか?ということを心の中でシュミレーションしている状態です。
これを着けた"素敵な自分、かっこいい自分"を想像しているのです。
そんな時に、着用イメージをPOPとして設置すると、「わぁ、こんな風に素敵に着けてみたい!」と想像を膨らませる手助けになります。
うまく想像させられれば、購入してもらいやすくなります。
着用写真は素敵に見えるように撮ること
当たり前ですが、着用イメージの写真は素敵に見えなければ意味がありません。
できればモデルさんがいいですが、自分や友人でも構いません。
その時に気をつけて欲しいのが、髪型と洋服選び。
特に、顔周りにくるピアスやネックレスは、ヘアスタイルを整えておくこと。
後れ毛がスタイリングされていないと、生活感が滲み出てしまい、マイナスの印象になりかねません。
また、洋服をどんなものにするかで印象がガラリと変わります。
あくまでも、アクセサリーが主役。
ブランドコンセプトにもよりますが、無地か色味が派手ではないトップスの方が無難です。
細部を意識する(POPで引き込む)まとめ
いかがでしたか?
今回は"ポイント#細部を意識する(POPで引き込む)"
について深堀りしてみました。
これまで、あまりPOPを重要視していなかったならこれをきっかけにもの言わぬ販売員の力をしっかり活用してみて下さい。
次回は"ポイント#7 引きの目線チェック" についてお伝えします。
どうぞお楽しみに^^
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法〜#5 目線の位置を意識する〜
ハンドメイドアクセサリーのディスプレイ方法 〜#5 目線の位置を意識する〜
ハンドメイドアクセサリー作家さんのために、ディスプレイの仕方についてまとめています。
アクセサリーメーカーで、店舗のディスプレイ作りを長年してきた私が、感覚的になりがちなディスプレイの作り方について、分かりやすく説明します。
ディスプレイ8つのポイント
ポイント#1 商品コンセプトを頭に入れてスタートする
ポイント#2 空間を作る意識
ポイント#3 アイキャッチを作る
ポイント#4 グルーピング
ポイント#5 目線の位置を意識する
ポイント#6 細部を意識する(POPで引き込む)
ポイント#7 引きの目線チェック
ポイント#8 ライティングの調整
今回は目線の位置を意識する重要性についてお伝えします
前回は『ポイント#4 グルーピング』
ディスプレイをする際に、グルーピングでまとまりを作る利点についてお伝えしました。
今回は、『ポイント#5 目線の位置を意識する』です。
まだまだお読みでない方はこちら
accessorybranding.hatenadiary.jp
この記事はこんな方に役に立ちます。
- ディスプレイでいつも悩んでしまう方。
- 商品を並べると作品が素敵に見えないと悩んでいる方。
- 渾身のディスプレイを作ったのになぜかなぜかパッとしない方。
- 学園祭のお店みたいなディスプレイから抜け出せない方。
- 売れるディスプレイを作りたい方。
ポイント#5 目線の位置を意識する
今回は目線の位置を意識することの重要さについて考えてみます。
わたし的には、ディスプレイを作るときに、
”目線を意識する”ことがとても大事なポイントだと思っています。
順番に説明していきます。
目線の位置とは
今回この記事で説明する”目線の位置”とは誰の目線かというと、
当たり前ですが、お客様の目線の位置のこと。
よく、"お客様視点が大事"などと言われますが、ディスプレイを作っているときは、とかく自分目線になりがちです。
お客様の目線の位置を意識したディスプレイだと、
とても見やすいディスプレイになります。
なぜ目線の位置を意識するのが必要か?
商品をお客様にみてもらうためには、いかに工夫して立ち止まってもらえるのかが勝負です。
もとをたどれば、これまでの#2〜4の記事で一貫してお伝えしてきたことです。
#2アイキャッチを作れ、#3空間で魅了しろ、#4グルーピングでみやすくetc..
何だか小言みたいですね汗・・・。
そう、結果的には全てお客様の目線。
だから非常に重要なんです。
しかしながら、ディスプレイを作るときには手元ばかり気になって主観的になりがちです。
作っているうちに客観的に見れなくなることがよくあるのです。
そんなとき、お客様の目線の位置がどこにあるのかを思い出すことで、
自分の作ったディスプレイを客観的に見れるようになります。
お客様の目線の位置はどこ?
お客様視点で考えることが大切なのは、
あなたも何となくわかっていると思います。
自分の作品を手にとってもらうために、
どんな風にディスプレイすれば立ち止まってもらえるか?
そう思ったからこそこの記事にたどり着いてくださってるのですよね。
では、お客様の目線の位置は具体的にどこにあると思いますか?
お客様の目線の位置はひとつじゃない
お客様の目線の位置はココですとは絞れません。
じゃどうするか。
お客様目線の位置はその現場ごとに確認するのが一番ですが、
今回は想像してみましょう。
___________________________________________
小さな公園のマルシェに、
ハンドメイドアクセサリーのお店を出店すると仮定します。
広場にはたくさんのお店が出ています。
ハンドメイドのお洋服、アジアン雑貨を売っているお店。手作りお菓子のお店etc...
その中のひとつがあなたのハンドメイドアクセサリーのお店です。
では今度はお客様の立場になって次の質問に答えてみましょう。
Q1 お客様のあなたはマルシェの広場に入ってきました。
たくさんのテントにたくさんのお店。目に飛び込んできたのは何ですか?
A 白いテントの数々
B お店の看板
C カフェの旗
Q2 あなたは通路を歩いていると、好みのハンドメイドアクセサリーがありそうなお店を見つけました。一番気になったのはどんなところ?
A おしゃれで可愛い店員さん
B 盛りもりにピアスがディスプレイされているピンナップボード
C テントの上から吊されているお洒落な雑貨
Q3 あなたは、そのハンドメイドアクセサリーのお店の雰囲気が何となく気になったので、実際にお店をのぞいてみることにしました。
商品をよく見るために、あなたはどうしましたか?
A テーブルの際まで近寄ってみた
B 商品を上から覗き込んだ
C 実際に手にとってみた
Q4 あなたはその中のひとつのピアスが気に入りました。どんなところが気に入りましたか?
A どんな風に作られたのか書かれたPOPが興味深くて気に入った
B 買いやすい値段だったから気に入った
C 実際に鏡で耳にあててみたら可愛かったから気に入った
___________________________________________
どうでしょう?
マルシェのお買い物。想像できましたか?
4つ質問に、それぞれ2〜3個の選択肢がありました。
正解は・・・
全部です!
なぁ〜んだと思ったらすみません。
お客様のあなたが、素敵なピアスに出会うまで、
目線がどのように変わっていったか、イメージできましたか?
これがお客様の目線がたどる大まかな流れです。
ひとつずつ解説します。
遠くから近くへ移行する
今回はマルシェを例にあげましたが、
店舗の中の一角がディスプレイの場所だった場合でも基本的には同じです。
お客様の目線は遠くから始まり、徐々に近づいてきます。
お客様の目線が遠いとき
Q1のあなたがマルシェの会場に入ったとき、
目当ての店は他のたくさん出店しているお店の中のひとつにすぎません。
たくさんのお店はどれも同じに見えるでしょう。
その中で気づいてもらうためには、
お客様がいる場所からお店が認識できる大きさの
”何か”がないと見つけてもらえません。
この時点ではお客様の目線の位置はお店からかなり遠いので、工夫が必要です。
例えば、看板やPOPを掲げる、旗を出す、テントに目立つ装飾をするとか。
掲げる場所も、遠くからでも見えるように高いところに掲げる必要がありますし、大きさも大きくなければ目にとまりません。
お客様の目線がやや近づいたとき
Q2では、お店の前の通路で足が止まりました。
お客様はこの時、お店の全体像が視界に入る位置にいたといえます。
このときお客様とお店の距離は2〜5mくらいでしょうか。
何となく雰囲気が良さそうに見えてはいますが、
まだ商品の細かいデザインまではよく見えていない段階です。
ではQ2でなぜ気になったのか。
A おしゃれで可愛い店員さん
B 盛りもりにピアスがディスプレイされているピンナップボード
C 上から吊されているお洒落な雑貨
という選択肢にしましたが、
通路から少し離れてもわかるような、世界観や醸し出す雰囲気が
演出されていたということになります。
ディスプレイをしっかり作り込んでいても、
通路にいるお客様に、お!と立ち止まってもらえるようなものがあること。それがポイントです。
目線位置は高め
通路からお店を見るときにはお客様はかかんだりしていないので、
立っている状態の目線でパッと目に入ったということになります。
必然的に、
立っている店員さん
平置きのアクセサリーではなく、高さのあるピンナップボードや
上から吊ってある雑貨が目に入った。
2〜5mの距離の通路からでも認識されるためには、
”高さ”があるディスプレイを組み立てると効果的です。店員さんもマネキンと同じ意味合いです。
お客様が近づいたとき
一番よくみえる場所にやっと近いてもらえました。
Q3、Q4では、お客様は覗き込んだり、
実際に手にとれるほど距離が近くなっています。
目線の距離がデザインの細部を認識できる位置まで近づきました。
のぞいてみて飽きないディスプレイを作る
お客様が商品の前に立った時は、
目の前にたくさんの商品が並べられていて、
お気に入りはないか興味を持ってくれている状態です。
この状態では、
手に取りやすく並んでいる、
試着ができるような鏡が用意されていたり、
デザインの説明POPがあったりと、
至近距離でお客様を接客できるような工夫をちりばめましょう。
なになに?こんな風に作っているなんてすごい!
と、思ってもらえるような、
あなたのこだわりがわかるPOPがあってもいいですね。
コーディネート例や着用POPがあったら、
お客様は想像がふくらんで鏡に合わせてみたくなります。
高低差をつける
のぞき込んでもらえるからといっても、すべての商品が平置き状態では
すぐに飽きられてしまいます。
見ていて飽きないように、ほどよく高低差ができるように什器を組むのがコツです。
什器の高低差をしっかり意識すると、見ていて飽きないディスプレイになります。
このときは手を伸ばして触れる高さが目線の位置になっています。
それぞれの目線の位置にそれぞれの役割がある
面白いのは、Q3ではもう看板は視界に入っていないこと。
お客様の目線が変化したのがわかりましたか?
遠い・やや近い・近い、という風にお客様の目線の位置に合わせて
ディスプレイの目的が違い、それぞれの役割を意識すること。
これがディスプレイを作る上で大事なポイントです。
一生懸命にテーブルの上にディスプレイをしたとしても、
近づいてのぞき込むまで見えなかったら、
足を止めてもらえる確率は減ってしまいます。
一方、目立つ看板に目が止って近くに行ったけどがっかりなディスプレイだったら、
お客様はお店の前を素通りでしょう。
ショーケースの中にディスプレイする場合の注意点
ショーケースの中にディスプレイする時も注意が必要です。
特に、腰の高さくらいの低い位置にあるケースの場合、
かなり近づかないと商品は見えません。
ジュエリーショップではこの高さのショーケースをよく見かけます。
この時、お客様の目線は2段階になっています。
- ショーケースの前に立った時の目線
お客様がケースの中の商品に気づき、
その前で立ち止まった時の目線を考えてみましょう。
この場合は斜め上からケース全体を少し引きでみています。
少し引いた状態でもケースの縁が影にならないか、
奥すぎて商品が見えない状態になっていないかなど、
チェックする必要があります。
ケースの奥の方にディスプレイするものは、少し高さを出して並べることで、
引きの目線で見ても奥にディスプレイされている商品が認識でき、
立体的に見せることができます。
- ケースを上からのぞいた時の目線
そしてもうひとつがのぞきこんだ時の目線です。
ケースの上からのぞいてたときに、
美しく魅力的にディルプレイされているかを確認します。
奥の方に高さを出しても、のぞいた目線でも問題なく見ることができます。
ジュエリーショップで見かけるようなショーケースは、
ケース自体の高さがあまりないため、大きな高低差をつけにくいです。
そのかわり、のぞいた時の商品の配置の構図を意識したり、
高級感を意識して余白をたっぷりとるなどの工夫が必要になってきます。
通路の外にまで出てしまうとケースの中は見えないので、
ケースの外側にアイキャッチを作っている場合がほとんどです。
例えばケースの上に小さなコーナーを作ったり、
POPやイメージポスターなどで通路から見えるように工夫しています。
ジュエリーショップでは高級品をあつかうので、
ケースで展開しなければならないのですが、
のぞき込んでもらうことでお客様との距離を近づけ、
じっくり接客するのに向いているという利点もあります。
ディスプレイはお客様の目線の位置に合わせる
いかがでしたか?
今回は"ポイント#5 目線の位置を意識する"
について深堀りしてみました。
お客様の目線の位置を意識すると、気をつけるポイントがたくさんあることがわかってもらえたと思います。
具体的には、距離感。
どの距離感で見られていても目にとまる工夫をしておくことが重要ということをお伝えしました。
- 距離が遠く離れた位置(10m以上)
- ディスプレイされた場所の前に立った時(2〜5mくらい)
- 目の前に立った時(0〜1m)
ディスプレイを作るときの参考になれば嬉しいです。
次回は"ポイント#6 細部を意識する" についてお伝えします。
どうぞお楽しみに^^